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刑の一部執行猶予制度が始まりました

2016/06/01

司法取引や取り調べの録音録画の陰に隠れて、あまり目立っていないようにも思えますが、本日より刑の一部執行猶予制度が始まりました。

これは、今まで刑事事件は全部を実刑とするか、又は全部執行猶予とするかの二択しかなかったものを、一部を実刑、一部を執行猶予とすることができるようになる、というものです。

執行猶予というのは、例えば「懲役1年、執行猶予3年」という判決は、「3年間、何も悪いことをせずに過ごしていれば、刑務所に行かなくてもいいですよ」という意味になります。このため被告人の中には実質処罰されないのと同様と受け取られる方もいます。また執行猶予の期間は最大でも5年なので、これ以上長期になることもありません。執行猶予がつくのは3年以下の懲役に限られるので、実刑になるギリギリの判決は「懲役3年、執行猶予5年」ということになります。

これに対し、そのラインを越えて実刑となる場合、実刑になるから1カ月でいいよ、ということにはなることはまずなく、最低でも1年程度の期間が言い渡されることが一般的です(執行猶予が取り消された場合とのバランスを考えると、短い期間の実刑のみを言い渡すことも難しいのだと思います)。

 

このように、今まで執行猶予と実刑の間の落差が相当激しく、ギリギリの事案で実刑となってしまった場合には、判決内容の落差に疑問を感じることも多かったので、一部執行猶予の制度は、個人的には「ようやくできたか」と納得のいく部分が多くあります。

今まで数十年に渡り、裁判官、検察官、弁護士ら実務家の間でも「執行猶予か、実刑か」の二択でやってきたこともあり、運用が落ち着くまでは、しばらくは戸惑いがありそうです。

弁護人としては、一部執行猶予も実刑に変わりはない以上、全部執行猶予の可能性が少しでもある場合には当然全部執行猶予を請求することになります。このため、あまり弁護人から積極的に「一部執行猶予を求める!」となるケースは多くないのでは、と考えられます。

 

弁護士 堀 賢介

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